ひとと動物のかかわり研究会リレーエッセイ
 人と動物のより良い環境作りを目指して、いろいろな思いをみんなで綴っていく、リレー・エッセイのページを作りました。このページで「ひと」と「ひと」の輪を広げていこうと思います。
 リレー・エッセイのルール: このページに執筆を依頼された方は、執筆後、次にバトンを渡す方を見つけます。そして、研究会の活動を伝え、エッセイの執筆をお願いします。エッセイのテーマは自由です。日常の生活で思うことや伝えたいことを綴って下さい。

−ヒトがいる場所−

 郊外、殊に山間部を走っていると、しばしばひき逃げされた野生動物を発見する。胸の奥がちくりと痛む。 そして同時に、ここは人間の道と、例えばタヌキ達の道が交差する地点なのかもしれないと想像する。地面に限らず、限りある海や空にも、注意深く見渡せば、同じように交差する地点や、重なる場所が無数に点在しているに違いない。そのことは何も、人間対その他の動物たち、に限った状況では無いだろう。例えば、クマとウサギの間にも、それぞれの道の交差地点、あるいは共有区があるに違いない。
 クマといえば、食料を求めに里に下りたクマが、地域住民を襲うというニュースが流れた。画面には撃ち殺され仰向けにされたツキノワグマの映像。 ヒトだって必死だけれど、クマだって必死である。生きるための頑張りは、命持つ身は皆一緒なのだ。 危険を承知で里に下りたか、はたまた我らヒトの山菜採りよろしく、気付いた時には前後不覚の人里だったか。猟友会により『駆除』されたとアナウンサーが締めくくる。それなら山では、ヒトがクマに駆除されていたのかという気持ちになるが・・・   
 ヒトの振る舞いは、自然界にまるで君臨しているかのごときに思える。ヒト以外の動物たちの間には、それぞれが命を全うし、なんとか次世代に命を繋ぐために、種を越えて通じる方法を使って、無駄な争いが起こらぬ様に工夫を凝らしているのではと、感心することがある。表札や名刺代わりと思われるマーキングや発声がそうではないかと思うし、利害関係が一致してめでたく共生するもの、なかには騙しのテクニックで、敵陣に身元を偽り居住する強者も見受けられる。もちろん時にそれらの方法は、ある種にとっては餌探しの目印ともなっていて、餌を捕ったり、また、我が身が餌になったりしている。様々な要因により刻一刻と変化する環境の中で、なんとか順応しながら命を繋いでいる。ときには、なんらかの障害により一時的にバランスが崩れようとも、やがてはまた、自然界の秩序は回復へと向かっていく。各種による工夫の数々が、命全体に絶妙な調和をもたらしている。                 
 
 ヒトは果たして、この命の調和に上手に参加出来ているのだろうか。壮大な命の輪からはみ出してしまったのではないだろうか。ヒトは元の場所には戻れないかも知れない。でも、これから自分たちの踏み出す一歩の遠く先には、新たな調和の一員として参加しているヒトの姿があって欲しいと願う。 
                                                                      Mikako

【自己紹介】

ペンネーム:Mikako
出羽三山にがっちり守られた山形県在住。 
この夏軒先に蜂が巣を作り始め、面白がって観察していたら大きくなり過ぎ、身の危険を感じる今日この頃。

 

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