ひとと動物のかかわり研究会リレーエッセイ
 人と動物のより良い環境作りを目指して、いろいろな思いをみんなで綴っていく、リレー・エッセイのページを作りました。このページで「ひと」と「ひと」の輪を広げていこうと思います。
 リレー・エッセイのルール: このページに執筆を依頼された方は、執筆後、次にバトンを渡す方を見つけます。そして、研究会の活動を伝え、エッセイの執筆をお願いします。エッセイのテーマは自由です。日常の生活で思うことや伝えたいことを綴って下さい。

−雪と白い犬−

私が動物とのかかわりについて考えたときに、まっさきに浮かぶのはアイヌ犬(北海道犬)のジュンだ。真っ白で美しい犬だった。私が小・中学生のころ、わが家の一員だった。
 
家は新潟にあり、冬は雪深い。ジュンはアイヌ犬らしく冬が好きだったように記憶している。夏は苦手そうでグッタリしていた。よく氷柱(つらら)を骨のようにガシガシと噛むのだが、歯茎からの血がまわりの雪を染め、痛々しそうだった。
 
当時の田舎では犬は外で飼うもの、との認識があったように思う。さすがに雪の中ではないが、寒い軒先の小屋で眠るジュンの姿に、人間に比べてなんと強い生き物かと感じていた。
 

たくさんの思い出のなかでも忘れられないのが、ジュンの家出だ。冬になるとアイヌ犬の血が騒ぐのか、毎冬何度も逃げ出した。もちろん首輪をしていたが、ルパンのようにどうにか抜け出すのだ。
 
兄と一緒に吹雪のなかを探し回る。寒いのと心細いのとで、子供にとってはつらかった。やっと雪道でジュンを見つけたのだが、呼んでもなかなか来てくれない。というより無視されているかのようだった。野生の血に支配され、もう人間との生活のことなど忘れてしまったかのようで、心細さがさらにつのる。
 
本当にあのなつっこいジュンなのだろうか?どこか遠くを見つめる、真っ白い雪のなかの真っ白い犬。驚いたことに口のまわりが血で真っ赤に染まっている。一体何をしでかしたのだろうか・・・。恐ろしい考えも浮かぶのだが、今はとにかく捕まえなければ。兄が持ってきたジュンの好物の骨を差し出す。
 
・・・無事捕まえられたかどうか、覚えていない。何度も逃げ出したので、きっと捕まえたことも捕まえられなかったこともあったのだろう。
 
翌日になるとジュンの犯した犯罪があきらかになる。当時は牛や鳥を飼う農家が近所にあり、ジュンはその鳥小屋に侵入し、鳥を殺害してしまったのだ。父が酒をもってお詫びに行ったのを覚えている。
 
散歩に行ってもテコでも動かないときがあったり、遊びに来た友だちに噛み付いたり、まさに小さな大自然の猛威を感じさせてくれたジュン。もちろん家族みんな大好きだったし、とてもかわいがっていた。私の子供時代の成長を見守ってくれた、大切な家族だ。
 
                                                                  noiraud

【自己紹介】

ペンネーム:noiraud(ノアロー)
ひとと動物のかかわり研究会・映像係り

 

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