ひとと動物のかかわり研究会リレーエッセイ
 人と動物のより良い環境作りを目指して、いろいろな思いをみんなで綴っていく、リレー・エッセイのページを作りました。このページで「ひと」と「ひと」の輪を広げていこうと思います。
 リレー・エッセイのルール: このページに執筆を依頼された方は、執筆後、次にバトンを渡す方を見つけます。そして、研究会の活動を伝え、エッセイの執筆をお願いします。エッセイのテーマは自由です。日常の生活で思うことや伝えたいことを綴って下さい。

−犬と人の住みよい社会への第1歩 スタディ・ドッグ・スクール®の試み−

 
 私が動物好きになったのはいつ頃からだったのでしょうか?自分自身でも、はっきりとは分かりませんが、子供の頃から家はずっとマンション住まいでしたので、とにかく「犬が飼いたい」「猫が飼いたい」と思っていました。「次の引っ越しでは一戸建てにしてね!」と親にお願いしてみたり…。
 
 そんなお願いもむなしく、犬も猫も飼えない状況下にあった私が選んだ大学は、獣医大学のひとつである麻布大学。そして「動物人間関係学研究室」という研究室へ所属しました。動物人間関係学では「ひとと動物のかかわりに関する研究」をします。しかし、この分野は歴史の浅い研究分野で、試行錯誤が必要でした。
 私の研究テーマは、人と犬の関係に関するもので、犬の幸福感についての研究(血中オキシトシンなどから測定)でした。しかし、研究室に入った当初は研究する犬もいない状況で手探り状態からのスタートです。そこで、研究室の仲間達と「ドッグチーム」を編成し、犬とは何か?というごく初歩的なところから、どうやって飼えばいいのか?どうやってトレーニングすればいいのか?そんな議題について毎日全員で朝から晩まで会議です。それでも、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ前進していきました。
 
 そんな中、教授から「毎日しつけ教室を開け!」とのご提案が。研究とは世にフィードバックし、世の中で役立てるもの。自分達が学び、研究してきたことを自己完結していては意味がありません。こうして「スタディ・ドッグ・スクール®(SDS)」の原形ができました。
 
 こうして無我夢中で学生が主体となって開催されてきたSDSも6年。SDSのしつけ方教室に参加した飼い主さんも延べ約1000組を超えました。しかし、私達も学生としてもいつまでも大学にいられる訳ではありません。必ず卒業というものがやってきます。ほとんどの学生はSDSを新しい職域と夢見つつも卒業していきました。
 そんな中、ゼロからつくり上げてきた、私達「ドッグチーム」初期メンバーはSDSに対する思い入れも強くありました。そこでついに去年、長年の夢であった会社を立ち上げ、学生主体のSDSはリニューアルされました。
 現在では活動も少しずつ広がり、「ひとと動物のかかわり研究会」の動物活用プロジェクト・ボランティア登用試験にも協力させていただいております。
 
 私達には学生のときから抱いている、様々な課題があります。飼い主と犬の双方がよりよく暮らしていくためには?社会で受け入れられる理想の犬とは?「犬の社会化」という素朴かつ広大なテーマを世に浸透させるために私達ができることは?このような山ほどある課題に対して、今でも前向きに真剣に取り組んでいます。
 
 ところで皆さんは、犬との生活で重要なことは何だと思いますか?
 
 私は「誰もが楽しくハッピーであること」だと思います。犬をしつけることはもちろんとても重要な要素ですが、それはひとつのツールでしかありません。このツールをうまく使いながら、「犬」も「飼い主」も、さらには「犬を飼っていない人」も、取り巻く全ての人がハッピーになれるためのお手伝いをする。それが私達の仕事だと思っています。
 
 SDSを運営していると、「うちの犬がここに来るのをとても楽しみにしているのよ」という飼い主さんが多くいらっしゃることに驚きます。これも「ハッピー」の結果のひとつでしょう。そして、犬の幸せは飼い主さんの幸せにも繋がります。
 SDSを通した私達の仕事は、犬を飼っている人たちと、そうでない人たちがお互いに理解を深めることによって、一般の家庭犬はもちろん補助犬などの働く犬たちが社会に広く受け入れられるための大事な一歩になると考えています。
 
                                                                    原田 葉子

【自己紹介】

原田 葉子
麻布大学修士課程卒業後、在学中より運営していたスタディ・ドッグ・スクール®(http://www.animallifesolutions.com/sds/index.html)普及を目的のひとつとした株式会社アニマルライフ・ソリューションズ(http://www.animallifesolutions.com/)設立に携わり、現在活動中。

 

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